看護師のための精神看護ナビ

統合失調症

統合失調症は、10〜30代に発症する精神科で多い疾患で、
精神科で入院治療を受けている患者さんに最も多くみられる精神疾患です。

 

発症の原因はよく分っていませんか、
脳内の神経細胞の間で情報を伝達する物質(神経伝達物質)の働きと、
生活環境などによるストレスが、
症状の出現に影響しているのではないかという考え方が主流になっています。

統合失調症の症状

統合失調症の症状には、陽性症状と陰性症状があります。

 

陽性症状

 

陽性症状には、実際に存在しないものが見えたり、音が聴こえたりする「幻覚」、
事実ではない考えを強く確信している「妄想」などがあります。

 

陰性症状

 

陰性症状には、感情が鈍くなったり、ほかへの関心が低くなることをいいます。
そのほかに、注意力や集中力、記憶力の低下などの認知機能障害が見られることもあります。

統合失調症の病型

統合失調症は、症状の特徴によって、主に3つの型に分けられます。

 

(1) 破瓜(ハカ)型

 

破瓜型は、発症年齢が低く、支離滅裂な言動や、
感情の平板化・意欲の低下などが見られ、
経過とともに他者とのかかわりを避け、
自分の殻に閉じこもるようになっていくという特徴があります。

 

(2) 妄想型

 

妄想型は、30代前後に発症します。
妄想や幻覚へのとらわれが強く見られますが、
人格の変化はあまり見られないという特徴があります。

 

他者との関わりも、比較的保たれます。

 

(3) 緊張型

 

緊張型は、突然大声をあげたり、忙しく動き回るなどの興奮と、
外からの刺激に反応を示さなくなる
昏迷の状態を行きつ戻りつしながら経過するという特徴があります。

 

また、不自然な姿勢をとらせると、そのままの姿勢をとり続ける
「カタレプシー」の症状がみられることもあります。

統合失調症の治療とケア

統合失調症の治療は、患者さんの症状の経過にあわせて、
「薬物療法」、「精神療法」、「心理社会的介入」を併せて行います。

 

急性期には、症状の評価と共に薬物調整が行われます。
急性期には、刺激の少ない環境を整えること、
支持的なかかわりを持つことによって不安を和らげ、休息できるように支援します。

 

症状や治療上の行動制限も行われますが、
保護室の使用や身体拘束などの行動制限によって、
患者さん自身でセルフケアを満たせない事もあるので、
看護師は患者さんが受けている治療や身体症状を注意深く観察し、
必要な援助を組み立てていくことが必要です。

治療による改善が見られた後は>

治療によって症状の軽減がみられたり、改善がみられた後は、
再発防止や患者さんの望む暮らしを実現するための準備を行います。

 

心理教育や、生活支援訓練などの病棟プログラムを活用し、
疾患に対する正しい理解、生活上の問題を解決する練習を行います。

 

ですが、良くなってきたからといって、
患者さんにたくさんのことを勧めると逆効果になります。
患者さんは、消耗したエネルギーを回復しながら、
少しずつストレス状況に慣れていくため、
あせらずに、無理をしないように取り組むことができるよう見守ることが大切です。

 

退院を控えた患者さんには、退院後の治療についての説明や、
生活環境の整備、訪問看護やデイケア、作業所など、
地域の支援者との橋渡しを行っていきます。

 

また、退院を目前にすると、不安が増してしまい不安定になる事もあります。
看護師は、患者さんの行動の変化や、言動の変化についても十分見守り、
問題解決のための支援や保証を行う事も必要です。